だれかの顔を思い浮かべることから、すべては始まる


目次
  1. はじめに:ブランドづくりの“最初”のこと
  2. 「だれのためか」が、すべてを決める
  3. たとえば:ひとりの人のために始めたパン屋さん
  4. 顔が見えると、言葉がやさしくなる
  5. “あなた”を思う気持ちが、共感を生む
  6. まとめ:想いの矢印が向かう先が、ブランドの形をつくる

    1. はじめに:ブランドづくり “最初”のこと

    お店を開くとき、商品を作るとき、
    まず決めることは「どんなデザインにしよう?」ではありません。

    ブランドの出発点は「この気持ちを、だれに届けたいか?」です。


    2. 「だれのためか」が、すべてを決める

    お客さん全員に好かれたいと思うと、
    言葉もデザインも、どこかぼんやりしてしまいます。

    でも、「あの人に届いたらいいな」と考えると——

    • どんな色が落ちつくかな?
    • どんな言葉なら、あの人は安心できるかな?
    • どんな形だったら、喜んでくれるだろう?

    そんなふうに、細部まで“やさしさ”をこめられるようになります。


    3. たとえば:ひとりのために始めたパン屋さん

    ある人が、小さなパン屋さんを始めました。
    理由は「病気がちな妻が、食べられるパンをつくりたかった」から。

    最初はその人のためだけに作っていたけれど、
    気づけば「同じように、やさしいパンを求める人たち」が通うようになりました。

    はじまりが「あなたに届けたい」だったからこそ、
    共感や信頼がゆっくりと広がっていったのです。

    今や世界的に人気のアニメ映画「となりのトトロ」 監督の宮崎駿さんは
    当時、8歳の姪っ子が安心して見られるには、と考えて制作したと言われます。
    届けたい人にしっかり届くメッセージは、やがて世界にまで広がったいい事例です。


    4. 顔が見えると、言葉がやさしくなる

    チラシに書くキャッチコピー、SNSでの投稿、商品名、接客のときの声かけ。
    すべてに共通するのは、「気持ちに言葉を載せられるかどうか」

    そしてそれは、誰かの“顔”を思い浮かべているかどうかで大きく変わります。

    たったひとりに向けた言葉は、たくさんの人の心に届く力をもっています。


    5. “あなた”を思う気持ちが、共感を生む

    「こうすれば売れるかな?」より、
    「この人に喜んでもらえるかな?」を考えること。

    それはブランドにとって、とても大切な軸になります。

    なぜなら——
    人は“売りたい気持ち”より、“届けたい気持ち”に心を動かされるからです。


    6. まとめ:想いの矢印が向かう先が、ブランドの形をつくる

    ブランドとは、ロゴや言葉や雰囲気の前に、
    まず「気持ちの向かう先」があるものです。

    「この人に、こんな気持ちを届けたい」
    「誰かの毎日に、そっと寄り添いたい」

    そのやさしい矢印が、ブランドの空気をつくり、
    やがて「わたしもそう思う」と共感してくれる人たちとつながっていきます。


    🌱さいごにひとこと

    だれかの顔を思い浮かべて、
    「これを届けたい」と願う気持ち。

    そこに、あなたらしいブランドの種が眠っています。
    大切に、やさしく、育てていきましょう。