目次

1 広告とは?日常にあふれる「一方通行」の情報

2 広報とは?メディアが選ぶ「第三者の目」

3 決定権の違いと、かかるお金の話

4 信頼性はどちらが高い?

5 測定のしやすさと経営判断への影響

6 広告と広報、どちらがいいの?

1. 広告とは?日常にあふれる「一方通行」の情報

広告と聞いてまず思い浮かぶのは、テレビCMや新聞・雑誌の紙面、街の看板や電車の中吊り広告など、日常のいたるところにある情報です。これらは企業が費用を払って発信しているもので、一方的に「こういう商品がありますよ」と私たちに伝えてくるメッセージです。

ただし、通勤中に毎日目にする5万とも言われる広告のうち、私たちはほとんどを記憶していません。広告は送り手の都合で作られているため、良いことばかりが強調され、信頼性には疑問を持つ人も少なくありません。

2. 広報とは?メディアが選ぶ「第三者の目」

一方で広報は、テレビ番組での特集や新聞の記事といった形で、第三者であるメディアが「これは価値がある」と判断して取り上げるものです。発信の主体はあくまでメディアであり、企業ではありません。

そのため、広報には編集権や放送権といった「メディア側の決定」が必要になります。企業が伝えたい内容でも、メディアが「ニュース性がある」と判断しなければ取り上げられません。

3. 決定権の違いと、かかるお金の話

広告は企業が発信の主導権を持ち、お金さえ払えば基本的に出すことができます(もちろん、公序良俗に反するものはNGですが)。一方の広報は、情報を出すかどうかの決定権がメディア側にあり、企業はそれを操作できません。

また、広告には明確な費用がかかりますが、広報活動にお金は直接かかりません(担当者の人件費などは除く)。つまり、広報は「お金で買えない露出」とも言えます。

4. 信頼性はどちらが高い?

広告は「自分で自分をほめる」性質のため、受け手に警戒されることも。一方で、テレビや新聞で紹介される広報は「他人が紹介してくれる」情報なので、信頼されやすいのです。

「テレビが取り上げてるなら本当かも」という心理が働きやすく、情報の信頼性が高くなるのが広報の特徴です。

5. 測定のしやすさと経営判断への影響

広告は、出稿した費用に対してどれだけの反応があったかを数字で測ることができます。つまり、効果が「見える化」できるのです。

一方、広報は数字での効果測定が難しく、経営者からすると「読めない施策」になりがち。そのため、広報への理解がない企業ではなかなか手を出しづらいのが現実です。

6. 広告と広報、どちらがいいの?

広告と広報は、どちらが優れているという話ではなく、それぞれに役割があります。
お金をかけてでも確実に伝えたいことがあるなら広告、信頼を得たい・第三者の目で伝えたいなら広報。目的に応じて使い分けることが大切です。

まとめ:

広告はコントロールしやすく効果も見えやすいですが、信頼性は広報に軍配が上がります。両者の違いを理解した上で、目的に応じた「伝え方の戦略」を考えることが、広報・PR担当者に求められる力です。